“ 少し不便なぐらいでちょうどいい ”

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国際規格の洗濯表示 …コレガワカラナイ。

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図1:平成28年12月以降に発売される衣類に付される洗濯表示
(画像は 経済産業省HP より拝借)

 

 

今日、市役所に行ったらこんなポスター (図1) が貼ってありました。

前にTVか何かで「洗濯表示が変わる!」みたいなことを耳に挟みましたが、普段そこまで表示を意識して洗濯したことがないので (標準コースとおしゃれ着コース、日なたか陰干しぐらい)、あまり気には留めていませんでした。

ただ、改めてこの新規格の表示を見てみると、いくら国際規格とは言え、
「前よりわかりにくくなってません…?」というのが正直なところです。

 

 

 

おさらいの意味もこめて、旧規格の洗濯表示を見てみましょう。
※新規格は "平成28年12月以降に発売される商品" から適応されるみたいなので、服屋さんによっては未だ旧規格と新規格が混在している場合もあるそうです。

 

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図2:旧規格の洗濯表示 (画像は 岡本株式会社 公式靴下ブログ より拝借)

 

見慣れているせいもあるでしょうが、見やすいですね~。
でも「手洗イ」「ドライ」「平」など日本語の表記が入っているので、確かにこれでは国際表記としては使えません。

 

 

 

そもそも、こういった洗濯表示を含めた「記号」というのはどういうものなのでしょう。辞書をひいてみると以下のように書かれていました。

 

一定の事柄を指し表すために使う、文字・しるし等の総称。特に文字に対して符号類を指すことがある。

 


 まぁ、確かに私達が普段何気なくつかっている「漢字」や「A, B, …, Z」も記号と言えますね (指し示すものが意味なのか (表意文字)、音なのか (表音文字) の違いはありますけれども)。

 

ですが、同じ記号を見て、それを見た人すべてが同じ意味で理解するためには、

「【● (文字や図形など)】という記号は、『~~ (意味や音、事柄など)』を示す」

という共通認識があってこそです。

 

 なので、先ほどの旧規格の表示には、「手洗イ」や「平」などといった日本語表記が入っているため、日本語を学びその漢字の意味を知っている人であれば、記号の指し示すところが理解できるのです。
 加えて、「手洗イ」が書かれている記号は桶を、「平」が書かれている記号は服そのものを描いているので、漢字の意味さえわかっていればスッと認識できるのも特徴ですね。

 

 

 

 これを踏まえたうえで、新規格の洗濯表示に戻ります。

 図1のポスターでは、項目に応じて6つに分類されているのがわかるかと思います。1番左の「家庭洗濯」や右から2番目の「アイロン」は、「ー」や「・」の果たす意味がわからなくとも、洗濯表示のイラストが現存するモノ(桶やアイロン)を描いているため、何となく理解できるのでいいです。

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図1 (再掲)

 

 

 

ただ、「これよくわかんねぇな…」と思うのは以下の3つ。
1つ目が「漂白」の項目ですね。

f:id:harryard:20170510222846p:plain図3:漂白の項目における、新旧の洗濯表示 (図1と同じ引用元より。図4、5も同様)

 

ビーカーの形からとったのか、薬品を入れるものを△とするのはまだいいでしょう…(よくはないけど) 。

でも、何がどうなったら、
【斜線2本 = 酸素系漂白剤のみが使用可能】 
になるのでしょうか?? (-∀-;;)

というか、酸素系漂白剤は塩素系漂白剤を内包している (酸素系がダメなら塩素系ももちろんダメ) ということを始めて知りましたよ。

 

 

んで、お次がこちら。

 

f:id:harryard:20170510223420p:plain図4:自然乾燥の項目における、新旧の洗濯表示

 

 

 

「・・・なるほど、まったくわからん。」

 

いやいやいや、服のイラストそのまま使えばいいでしょうに…。

一応私なりに、なぜ四角形の記号を服と定義したのかを考えてみました。
ざっくり話すとこれを考えた人たちの意見は次のようなものじゃないでしょうか。

「世界的に見ると洗濯表示にでてくるような洋服を着ない地域もあるかもしれない。また、これは『洋服』を指すので東洋では着ない可能性もあり、グローバル化の世界においてはうんたらかんたら・・・・・(以下略)」

・・・ごめん、やっぱりわかりませんでした。笑
陰干しの斜線はまだいいとしても、服が (脱水せずに) 濡れた状態は二重線から連想できるものではないでしょう。

 

 

 

 

そして、とどめの一撃がこちら。

 

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図5:ドライクリーニングの項目における、新旧の洗濯表示

 

突然の、「P」、「F」、「W」の表示。
経産省の資料 (記事の末尾にリンクあり) を読むとわかりますが、これら3つのアルファベットは可能なドライクリーニングの種類を指しているため、素人にはほぼ関係ありません。
私達一般人が確認するべきところはは、○か×だけでいいみたいですね…。

 

 

 

 

 世界的に同一規格にしよう!ということに異論の余地はないですが、新規格の洗濯表示を記号としてみたときに、果たしてこれらの記号は適切なのでしょうか。
 私個人としては、こうした世界各国で多くの人が目にする記号だからこそ、一見してその意味がわかる記号 (デザイン) にする必要があるのではないかと思っています。

先ほど、記号が万人に理解される背景には共通認識が必要とのお話をしましたが、今回の洗濯表示の例を見ていると「記号はこれにするから、お前らこの記号が指す意味を覚えてね」という押し付けのように感じます。理解しにくい記号を理解するため、知識としての共通認識を覚えなくてはいけないのですね。

そうではなくて、パッと見で何を示すかをわかる記号にし、それを使って世界的に共通認識を広げていくほうが、長々と文章を使って説明しなくてもいいですし、冒頭で登場したようなポスターを作る必要もない…、たくさんの無駄を省けるのではないかと思っております。笑

 

 

「記号とは」、「デザインとは」を考えさせられた今日の出来事でした。

 

なお、以下の経産省のサイトからここで紹介した洗濯表示の詳細を確認することができますので、興味ある方はどうぞご覧くださいませ (※PDFファイルが開きます)。
http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/pdf/laundry_symbols_161104_0001.pdf